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グラミー、新規会員4,000人超を招待 — EJAEらが加わる「投票する音楽業界」の現在

7月17日
読了時間: 3分

更新日:3 時間前

Recording Academyは2026年7月9日、4,000人を超える音楽クリエイターと業界専門家に新規会員招待を送ったと発表した。名前が挙がったのはEJAE、Lola Young、sombr、Raveena Auroraら。グラミー賞は華やかな授賞式だけでなく、現役の音楽人が候補と受賞者を選ぶ会員組織でもある。今回の発表から、投票者の多様化と、日本・アジアのクリエイターが世界の意思決定へ参加する意味を読む。

4,000人超の招待が示すもの

公式発表によれば、招待対象はジャンル、背景、職種を横断する4,000人超。招待を正式に受諾して初めて会員となり、メンター制度、専門能力開発、ネットワーキング、地域支部や業界部会の活動へ参加できる。Recording Academy全体は約3万人の会員で構成されており、今回の規模は単なる名誉称号ではなく、組織の声を毎年更新する大きな入口だ。 とくにVoting Memberは、現役のアーティスト、ソングライター、プロデューサー、エンジニアなどで構成され、グラミー賞の候補と受賞者を決める。つまり会員構成が広がることは、どの作品を優れた録音文化として残すかという判断の視野が広がることでもある。

EJAEの参加とアジア音楽の可視性

招待者として紹介されたEJAEは、HUNTR/Xの「Golden」で知られる韓国系米国人シンガーソングライターだ。表舞台の歌唱だけでなく、作家としてK-POPを支えてきた経歴を持つ。今回の参加は、アジア発の音楽が人気市場として見られるだけでなく、その制作を担う当事者が米国音楽界の制度側へ入る動きとして注目できる。 2027年グラミーではBest Asian Pop Music Performanceが新設される。部門の誕生と投票者の多様化は別々の話に見えるが、作品を分類する言葉と、それを評価する人の経験が同時に更新されなければ、変化は表面的になりかねない。EJAEのように複数文化を往来する作家・歌手が会員になることは、その溝を埋める一歩になる。

賞だけではない会員組織の役割

Recording Academyは投票に加え、音楽制作者の権利を守る政策提言、DEI活動、Producers & Engineers Wing、Songwriters & Composers Wingなどを通じた職種別の連携も行う。生成AI、声や肖像の無断利用、ストリーミング報酬、クレジット表示といった課題は、ヒットの有無だけでは解決できない。現場の当事者が制度設計へ声を届ける回路が必要だ。 グラミーを目指すことと、業界を持続可能にすることは本来つながっている。受賞者を選ぶ一票だけでなく、制作現場の条件を改善し、次世代へ知識と機会を渡す参加こそ、会員制組織の価値を支える。

日本のクリエイターへの示唆

日本から見ると、海外賞への挑戦は作品提出やプロモーションに注目が集まりやすい。しかし長期的には、正確な英語クレジットの整備、国際共同制作の履歴、同業者からの推薦、継続的な業界活動が重要になる。Recording Academyの会員資格は推薦と審査を経るため、一度の話題性より、誰と何を作り、どの役割を担ったかという職業的な蓄積が問われる。 GAJが目指すべきなのも、受賞予想を追うだけの情報発信ではない。日本の音楽人が海外の制度を理解し、作品・権利・クレジット・ネットワークを一体で準備できる入口を作ることだ。4,000人超の新規招待は、グラミーが毎年更新される共同体であることを改めて示している。

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