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第25回グラミー賞(1983):Marvin Gaye『Sexual Healing』復活2受賞+Men at Workオーストラリア勢台頭

8月16日
読了時間: 2分

更新日:4 時間前

1983年2月23日、シュライン・オーディトリアムで開催された第25回グラミー賞は、長年のキャリア停滞から復活したMarvin Gayeが『Sexual Healing』により2部門を制覇する感動の場となった。同時に、オーストラリア出身バンドMen at WorkがBest New Artistを受賞し、北米/英国以外の国からBest New Artist受賞者が出る歴史的瞬間でもあった。

出来事の背景

1971年の名作『What's Going On』、1973年『Let's Get It On』で頂点を極めたMarvin Gayeは、その後税金問題、薬物依存、家庭崩壊に苦しみベルギーへ移住していた。1982年、コロンビア・レコードと再契約し、ベルギー在住中に制作したアルバム『Midnight Love』をリリース。

そのリード・シングル「Sexual Healing」(Marvin Gaye/David Ritz/Odell Brown作)は、Roland TR-808リズムマシーンを大胆に取り入れた革新的なサウンドで全米3位の大ヒット。批評家からは「Gayeの完全復活」と讃えられた。

一方、Men at Workはオーストラリア出身の5人組ニューウェーブ・バンド。1981年デビュー・アルバム『Business as Usual』が世界中で大ヒットし、「Down Under」「Who Can It Be Now?」が全米1位を記録した。

受賞の瞬間

Marvin Gayeは「Sexual Healing」でBest R&B Vocal Performance(Male)とBest R&B Instrumental Performanceの2部門を受賞。R&B界の至宝として長らく沈黙していた彼の復活は、業界全体の感動を呼んだ。受賞スピーチでは「過ぎ去った日々の家族と神に感謝する」と述べた。

Best New ArtistはMen at Workが受賞。北米/英国以外からの新人賞受賞は史上極めて稀なケースだった。Colin Hayが代表して「オーストラリアから来た僕らに賞をくれてありがとう」とユーモアを交えてスピーチ。

AOTYはToto『Toto IV』、ROTYは同アルバム収録の「Rosanna」(Toto)、SOTYはWillie Nelson「Always on My Mind」が受賞した。

文化的・産業的意義

Marvin Gayeの復活受賞は、アーティストが個人的危機を経た後の創造的再生の可能性を業界に示した。残念ながらGayeはこの受賞からわずか1年余り後の1984年4月1日、実父との口論の末に射殺された。グラミーは彼の生前最後の栄光となった。

Men at Workの新人賞は、グラミーがアメリカ中心主義から世界の音楽シーンへ視野を広げ始めた象徴的事件だった。以降、Seal(英国)、Sade(英国)、Björk(アイスランド)、BTS(韓国ノミネート)など非米系アーティストのグラミー評価へと続く道が開かれた。

GAJ視点 / 日本の音楽業界への示唆

Men at Workのケースは「英語圏でなければ国際的に評価されない」という固定観念が崩れ始めた瞬間として日本にとっても重要である。21世紀の現在、BTS、BLACKPINK、藤井風らの世界進出はこの夜の延長線上にある。

GAJは、日本アーティストが英語圏グラミー評価に到達するための具体的戦略を継続的に分析・提言していく。

発行:株式会社BRUSH MUSIC / GAJ ヒストリー

 
 
 

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