第28回グラミー賞(1986):『We Are the World』ROTY+SOTY制覇+Sade Best New Artist、チャリティ音楽の頂点
更新日:3 時間前
1986年2月25日、シュライン・オーディトリアムで開催された第28回グラミー賞で、『We Are the World』(USA for Africa)がRecord of the Year+Song of the Yearを完全制覇した。Michael Jackson/Lionel Richie作詞作曲、Quincy Jonesプロデュース、Bruce Springsteen、Bob Dylan、Stevie Wonder、Diana Rossら45人のスーパースターが参加した世紀のチャリティ・プロジェクトが、業界最高水準で公式に評価された。同夜、英国出身のSadeがBest New Artistを受賞した。
出来事の背景
1984年のエチオピア大飢饉に対する人道支援のため、Harry Belafonteの提案でKen Kraganが企画。1985年1月28日、アメリカン・ミュージック・アワード授賞式直後にA&M Recordsスタジオで45人のアーティストが一夜で録音した『We Are the World』が1985年3月リリース。
シングルは世界で2000万枚以上を売り上げ、世界中で1位を記録。総売上はUSA for Africa基金に寄付され、最終的に6300万ドル(当時史上最高額)がアフリカ難民救済に充てられた。
同時期、Bob GeldofのBand Aid『Do They Know It's Christmas?』(1984)、Live Aid(1985年7月)など、80年代後半のチャリティ音楽ムーブメントの中核に位置する。
受賞の瞬間
Record of the Year発表 — 『We Are the World』。Lionel RichieとQuincy Jonesがステージに登壇、Richieは「この賞は世界中のチャリティ参加者、そしてアフリカで救われた全ての命に捧げる」とスピーチ。
Song of the Year発表 — Michael Jackson/Lionel Richie『We Are the World』。共作者2名が並んでステージに上がる稀有な瞬間となった。
Best New ArtistはSade(本名Helen Folasade Adu、英国出身ナイジェリア系)。アルバム『Diamond Life』のシングル「Smooth Operator」「Hang On to Your Love」のヒットで一躍世界的スターとなった。AOTYはPhil Collins『No Jacket Required』が受賞した。
文化的・産業的意義
『We Are the World』のROTY+SOTY制覇は、1973年『Concert for Bangladesh』のAOTY以来約13年ぶりのチャリティ音楽の業界最高水準評価となった。音楽が社会変革のツールとして機能する事実が、再度業界公式に確認された。
Sadeの新人賞は、ニューウェーブ/ポストパンク時代以降、洗練されたソウル/ジャズ系のサウンドが若い世代に受け入れられる土壌が形成されたことを示す。Sadeはその後も少数精鋭のアルバム・リリース戦略で30年以上にわたり世界的評価を維持し続ける長期型アーティストの模範となった。
GAJ視点 / 日本の音楽業界への示唆
『We Are the World』のような国際チャリティ・プロジェクトに日本アーティストが中核として参加する例は未だ少ない。坂本龍一、宇多田ヒカル、藤井風らが世界規模のチャリティ音楽プロジェクトに核として参加する未来は、GAJが推進すべき重要なミッションの一つである。
GAJは、日本アーティストの国際的人道支援プロジェクト参画を継続的にコーディネートしていく。
発行:株式会社BRUSH MUSIC / GAJ ヒストリー


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