【音楽ビジネス研究所】配信の売上はどう入るのか|レポート・引き出し・スプリット|配信実務シリーズ #5
更新日:3 日前
配信した曲の数字と売上は、どういう経路でアーティストの手元に届くのか。リリース前の設計をここまで4回かけて扱ってきましたが、出したあとのお金の動き方は、意外と知られていないところだと思います。
「音楽ビジネス研究所 配信実務シリーズ」の第5回を公開しました。僕が行った音楽配信実務の講義をもとに、アシスタントMCのウェル君とカムちゃんが解説してくれています。第5回のテーマは、週次のアナリティクスレポート、売上レポートと引き出し申請、そして分配管理(スプリット)です。
数字は週に1回、PDFで届く
配信した曲の成績は、1週間に1回メールでPDFとして届きます。Spotifyで何回再生されたか、TikTokで何回再生されたか、といった再生回数の推移です。自分でダッシュボードを掘らなくても、週単位で伸びを見られる状態になる。リリース直後の立ち上がりと、プレイリストに入った週の動きを比べる材料がここで手に入ります。
売上はマイページに出て、引き出し申請で動く
売上そのものはログイン後のマイページに集約されます。マイセールスやマイレポートに金額が表示されて、そこから引き出しを申請する流れです。ディストリビューション事業では標準的な設計ですが、実務で押さえておきたいのは、売上が自動で振り込まれるわけではないという点。アーティスト側の申請で初めて動きます。
スプリットは原盤権の取り分を割り振る機能
4つの機能の中でいちばん大事だと思っているのが分配管理、いわゆるスプリットです。原盤権の取り分を百分率で複数名に割り振る機能で、4人のバンドなら4分の1ずつという設定になります。分配先はメールアドレス単位で登録され、それぞれのレポートに取り分が反映されます。合計が満額になるように入れるのがルールで、ここの設定ミスはそのまま取り分のズレになります。
手伝った側も取り分を持てる
この機能は演者だけのものではありません。リリースのプロモーションを手伝った、ライブスタッフとして動いた。そういう関わり方をした人も、事前にスプリットで取り分を決めておけば、売上のレポートを受け取る側に回れます。インディーズで周囲のアーティストを手伝う立場の人にとっては、自分の仕事を権利の形で残す手段になる。A&Rを目指す人には考えてみてほしい話です。
「収益を全額還元」の但し書き
収益を全額アーティストに還元する、という表記については、米印の中身まで話しておきたいと思っています。配信するだけでもDSP側の手数料は引かれていて、デリバリー・アグリゲーション・レポーティングといった流通の各段階に費用は発生しています。それを抜いたうえで、アーティストに還元できる分はそのまま戻す、という整理です。この言葉が何を指しているのかを曖昧にしないのは、この仕事を誠実にやるうえで必要なことだと考えています。
この回で話していること
再生回数の推移が週に1回PDFで届くという仕組み
売上はマイページに出て、引き出し申請で動くという流れ
スプリットで原盤権の取り分を設計する話
手伝った側も取り分を持てるという、裏方のキャリアの話
「収益を全額還元」の米印=デリバリー・アグリゲーション・レポーティングの費用
このシリーズは、僕が行った43分の音楽配信実務の講義を、テーマごとに8本に分けて解説していくものです。配信登録・権利・ピッチング・売上・マーケティング資料まで、順を追って扱っていきます。
なお、公開されている情報と講義時点の内容に基づく解説です。制度や各サービスの仕様は変わることがあるので、実際に手を動かすときは最新の情報をご確認ください。
シリーズ第1回はこちら:https://www.welcomeman.net/post/music-business-lab-distribution-01
音楽ビジネスのご相談はこちら:https://www.brushmusic.com/businesssupport
参考にこちらもどうぞ:音楽ビジネス研究所「配信は登録して終わりじゃない|リリースに必要な4ステップ(配信実務 #1)」
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