【音楽ビジネス研究所】登録しただけでは誰にも届かない|マーケティング18項目|配信実務シリーズ #8
更新日:3 日前
目の前にカレー屋さんがあって、入口にA4の紙で「カレー」とだけ貼ってある。たぶん入らないと思います。でも道の前に旗が立っていて、カツカレーと書いてあって、ロゴが可愛くて、ドアがおしゃれで、ランチの内容まで書いてある。それなら入ってみようかとなる。音楽もまったく同じです。この講義の結論は、音楽の配信は登録するだけではダメだ、という一言に尽きます。
「音楽ビジネス研究所 配信実務シリーズ」の第8回、最終回を公開しました。僕が行った音楽配信実務の講義をもとに、アシスタントMCのウェル君とカムちゃんが解説してくれています。第8回は、第1回で出した4ステップの答え合わせにあたる回です。
マーケティング登録で揃える18項目
講義では、マーケティングエントリーで揃える情報をわざと18項目に分けて並べています。視聴用のおまとめリンク、アーティスト写真(縦長・4:3・16:9と比率ごと)、アーティストロゴ、SNSアカウント、活動拠点、ライブスケジュール、類似アーティスト、タイアップ実績、ジャンル、サブジャンル、使用楽器、ムードやスタイル、歌詞、声の情報、トラックの説明文、その英語版、マーケティング施策、そしてタイアップ営業などの希望。これが各DSPの編集部に渡る材料になります。
いちばん効くのは類似アーティストの一行
この中で僕がとくに効くと考えているのが類似アーティストです。このバンドとサウンドが似ている、という一行が、編集側が棚のどこに置くかを判断する手がかりになります。ジャンルも同じで、R&Bの中にもJ-R&B、ソウル、ネオソウルと細かく分かれているので、的を射たものを選ぶ必要があります。意外と見られているのが使用楽器で、楽器でチェックをかけている担当者もいます。トラック説明の英語版については、翻訳ツールを使ったもので構いません。完成度よりも、海外へのピッチングのためにそれが存在していることのほうが大事です。
門構えをしっかりやる
なぜここまでやるのか。見つけてもらうための情報を、リリースのときにちゃんと揃えてあげないと、そもそも行ってみようかなという気持ちが起きないからです。一曲を丁寧に積み上げていくと、その曲に紐づくデータが強くなって、知ってもらうきっかけが増えていきます。そしてこの作業は、アーティスト本人にやってくれと言ってもなかなか進みません。面倒だからです。だからこそ、仕組みを理解している人が引き受ける価値がある。第1回で出した4ステップ——原盤の配信登録と著作権登録、マーケティングプランの登録、ピッチング、そして次の展開——に戻ると、この回で扱った18項目はその2つ目にあたります。ここを飛ばして3つ目には進めません。全8回、お付き合いいただきありがとうございました。
この回で話していること
マーケティング登録の18項目を一覧で整理
類似アーティストを書くとプレイリストに入りやすくなる理由
使用楽器やムードまで見られているという話
トラック説明の英語版は翻訳ツールでもいいから必ず用意する話
「門構え」をしっかりやるという講義全体の結論
このシリーズは、僕が行った43分の音楽配信実務の講義を、テーマごとに8本に分けて解説してきたものです。配信登録・権利・ピッチング・売上・マーケティング資料まで、順を追って扱いました。これで全8回が揃いました。
シリーズ全体の地図にあたる第1回はこちらです:配信は登録して終わりじゃない|リリースに必要な4ステップ
なお、公開されている情報と講義時点の内容に基づく解説です。制度や各サービスの仕様は変わることがあるので、実際に手を動かすときは最新の情報をご確認ください。
音楽ビジネスのご相談はこちら:https://www.brushmusic.com/businesssupport
参考にこちらもどうぞ:音楽ビジネス研究所「配信は登録して終わりじゃない|リリースに必要な4ステップ(配信実務 #1)」
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